FRP製品のガラス含有量を飛躍的に引き上げ、高強度・高機能製品を実現するVIP(Vacuum Infusion Process = フィルム・インフュージョン)。しかし成形の都度発生する大量の廃棄資材が最大の短所でした。 その短所を補おうと、型取り用のシリコーンを流用してバキューム・フィルムを製作するアイデア自体は古くからあり、現在においても各所で試されています。
英国に本拠を置く「Alan Harper Composites社」は、FRP成形用のバキューム・フィルムに求められる気密性・柔軟性・耐久性などを兼ね備えた専用のシリコーン樹脂「VBS-26」を開発し、ユニークな「セルフ・シーリング機能」を生み出すことによって、FRPの新時代を築く『VPI(Vacuum Press Infusion = 真空プレス・インフュージョン成形)』を発明しました。
シンプルさを追求する『VPI - 真空プレス・インフュージョン成形』は、フィルム・インフュージョンの先を行く新しい技術でありながら、莫大な時間と導入コストを要するRTM・L-RTMをも凌駕する成形法として、また伝統的なハンド・レイアップ、スプレー・アップ成形からの移行にも広く道を開き、近未来のスタンダードになろうとしています。
VPI B型製作手順
※B型(シリコーン樹脂型)
VPI 成形工程~B型セットから脱型~
※B型(シリコーン樹脂型)
成形事例
VPI製作工程オーバービュー
TopGear Silcon 6 シリコーン・スプレー機
NISSAN/IMPUL
フロントバンパー
―製品データ―
製品厚み:3.0mm~
ガラス(コンビフロー):約5.0 kg / 樹脂:約9.0 kg
ガラス重量比:約36 % ※フローメディア部を含む。
トリミング後の廃材は、製品端部10~15mm幅と、上部穴開け(500φ)のみ。
荷台カバー
ワークショップにて常に最新の技術を取り入れています。